週末がつらい・不倫を終える為に離婚させたい|別れさせ屋③
これまで依頼人西田さんは週3~4日彼と会う度に
「いつまで待てばいいの?」「いつになったら離婚してくれるの?」という
すぐに答えが出せないような問いかけをしていた。
彼の発言を信用したいけれども、信用しきれない気持ちや
この関係に未来はあるのかと不安になってしまう事が多く
その不安を彼にぶつけ続けていたのである。
最初の内は彼も申し訳なさそうに、「すまない、もう少し待って欲しい。」と
答えてくれていたが、最近はその質問をする度に露骨に嫌な顔をして
逆ギレをするようになっていた。
しかし、ミッションエージェントにご相談された際に、「西田さんの最終目標は
彼夫婦が離婚することではなく、彼といい関係を続けていく事です。彼夫婦が
離婚したのに彼が西田さんのところに来なかったら本末転倒です。彼と会う度に
詰問され続けていたら彼は西田さんと会う時間を憂鬱に感じるようになるでしょう。
今はつらいでしょうが西田さんをかけがいのない存在と彼に認識してもらう為に、
彼と会っている時間を純粋に楽しむようにして下さい。」というアドバイスを相談員から受けて
彼に対しての接し方を改めるようにしたのである。
そうすると彼の接し方も優しくなり、いい関係を築くことが出来るようになっていた。
しかし西田さんの内心は不安や不満と戦っていましたので、時折担当員と飲み会を
開催し、ガス抜きをしてもらうようにした。
対象女性南沢りえ氏(以下りえ氏)は週4日はファミリーレストランの厨房でアルバイト。
それ以外の日はママ友たちとカラオケに行ったり、週1回英会話を習っていたりしていた。
今回接触する工作員はAYAさん(38才、元CA、英語、中国語が堪能、聞き上手)という
女性工作員である。
本来、週4日行っているファミリーレストランのアルバイトの行き帰りで接触を行う方が
いいと考えるが、りえ氏はアルバイトへの行き帰りは自転車を猛スピードで走らせている為
接触に適さないと考えたのである。
某日、14:45AYAさんは某駅前の英会話教室が入るビルの前で待機していた。
手には英会話教室のパンフレットを持っている。
14:51りえ氏が自転車を英会話教室が入るビルの前に停めてビル内に入ってくる。
AYAさんはビルのエレベーター前で待機している。
エレベーター前にりえ氏が到着。手に英会話教室のパンフレットを持っている
AYAさんに軽く会釈をする。
「あの・・英会話教室に通われている方ですか?今日初めてこちらの教室に伺ったんですけれども、
雰囲気はどうですか?」とAYAさんが声をかける。
ちょうどエレベーターが開いたので一緒にエレベータに乗り込むことになる。
「先生も気さくだしアットホームな感じなので楽しいですよ。」とりえ氏は気さくに答えてくれた。
英会話教室の階に到着、エレベーターが開くと「私が受付の人に言ってあげるね。」と
りえ氏が先に出て英会話教室内に入っていく。
「Hello!RIE」という声が中から聞こえてくる。
AYAさんはりえ氏より少し遅れて教室内に入っていく。
「あの先日お電話致しました○○AYAです。」と告げると
「お待ちしておりました、今日は体験教室ですので、これから始まる
授業を受けて下さいね。先程の、りえさんと同じクラスです。」と受付の人に言われる。
りえ氏は「こっちこっち。」とAYAさんを手招きして教室に案内してくれる。
ひとクラス3~4人で構成されていて、この日はりえ氏とAYAさん、年配女性の佐々木さんが
一緒の授業となった。
りえ氏は幼い頃に父親の仕事の関係で海外での生活が長いらしく、夫である南沢氏と
出会ったのも海外だった。
しかし、主婦になりあまり英語を使わなくなったので、感覚を思い出す為に
英会話教室に通い始めたそうである。
そして下の子供が中学生になったら、もう一度社会に戻りたいと話していた。
ちなみにこのクラスは上級者向けらしい。
その時白人男性が教室に入ってきて英会話レッスンが始まった。
AYAさんも英会話は得意なので、他の2人に負けずにレッスンを受けることができた。
約1時間強のレッスンを終えて、年配女性佐々木さん、りえ氏、AYAさんが
英会話教室のビルから出てくる。
佐々木さんは先に帰り、りえ氏とAYAさんは近くの喫茶店に行くことにした。
AYAさんが以前CAだったという話を聞いて興味を持ったようである。
喫茶店で2時間ほど夫婦の話ややりたい仕事、子育てのことなどの話をして、
最後に連絡先の交換をして喫茶店を出る。
りえ氏は「じゃあ来週も英会話来てね。」と言いながら自転車に乗って颯爽と走り去っていった。
次回、週末がつらい・不倫を終える為に離婚させたい|別れさせ屋工作④へ・・続く。