離婚したい・夫の一日を見る|別れさせ屋②
どの夫婦にも大なり小なり問題はある。
許容できる範囲の問題であればいいが、許容できないけれども
生活や子供の為に仕方なく不本意な夫婦生活を送られている方々は
多くいらっしゃいます。
結婚する時は、周りに祝福されてスムーズな手続きだったのに
離婚は、親権・財産分与・養育費・慰謝料・世間体など多くの障害があり
配偶者から離婚に同意が得られない場合は、成立までに困難な道が待っているのである。
今回の依頼人藤野さんの案件はいわゆるご主人の心無い発言が発端のモラハラが
離婚したいという最大の理由である。
しかし、モラハラはキッカケであり、長年生活を共にしてきた夫婦が、離婚したいという理由が
一つであるわけもなく、経年による積もり積もった不満が飽和状態になったというのが
正直なところだと思われる。
担当員はご主人の行動パターンを把握する事前調査を行う事となった。
今回の対象者は藤野あつし氏(仮名・43才・男性・都内某メーカー勤務)である。
事前に奥さんである藤野さんからご主人は朝8時過ぎに自宅を出るという情報を頂いていた。
7:30藤野さん自宅付近にて張込み開始。
自宅は戸建で、依頼人藤野さんのご実家だった家を改装して、藤野さん夫婦、お子さん2人
藤野さんの母親の5人が居住している。
周辺は下町の雰囲気が残る住宅街で、近くには商店街があり朝から周辺は活気があった。
7:53お子さん二人お藤野さんが自宅を出てくる。
そこに集団登校の小学生一行が合流して学校方向へ歩いていく。
その姿を見送った藤野さんは自宅に戻っていく。
8:10対象者藤野氏が自宅を出て最寄駅方向へ歩いていく。
薄いグレーのスーツで水色のワイシャツ、黒い革製のカバンを持っている。
8:17最寄り駅に到着。
8:22勤務先方面行き地下鉄に乗車。
8:48勤務先最寄駅にて下車。多くの人が電車を降りていく波に
乗って藤野氏は改札口に向かう。
改札を通った藤野氏は、スマホを片手で操作しながら地上に向かう
エスカレーターに乗る。
8:54勤務先ビルに入っていく。
勤務先ビルは自社ビルで他のテナントは入っていない。
その後、しばらく変化なし。
依頼人藤野さんから頂いた情報によると、昼食は社員食堂を
利用するとの事だった。実際に昼休みの時間に藤野氏は勤務先ビルから
出てきていない。
再び、状況に変化なし。
19:28藤野氏が勤務先ビルを出て、最寄駅に向かって歩いていく。
19:36駅構内の売店で夕刊紙を購入。
19:37自宅方面行き地下鉄に乗車。
電車内では先程購入した夕刊紙を見ている。
20:08自宅最寄り駅にて下車。
駅構内を出た藤野氏は駅近くの小料理屋風の居酒屋に
入る。
カウンター8席、テーブル席が3卓、小さめの座敷4卓の店内は
半分ほどの席が埋まっていた。
藤野氏は常連なのか、慣れた感じでカウンター席に座り
店員から受け取ったおしぼりで、顔をゴシゴシと拭いている。
すぐに生ビールとお通しのポテトサラダが藤野氏の前に出された。
その後、つまみを2品頼み、生ビールをもう一杯お替りして
20:45居酒屋を出る。
20:52自宅に到着。
その後、変化なし。
23:03自宅の明かりが消えた為、この日の調査を終了する。
その後、何日か藤野氏の行動調査を行った。
藤野氏はお店はその日によって違うものの、必ずお酒を飲んでから
自宅に帰っていく。
週に1回ほどは同僚と一緒に勤務先近くの居酒屋で飲んで
皆と別れたあと、自宅近くの居酒屋で一人で飲んでいる。
担当員は工作員の選定に入った。
次回、離婚したい|別れさせ屋工作③へ・・続く。