探偵のお仕事ブログ

愛情の裏返し|復縁

小学生の頃、

好きな子にわざと嫌がらせをしたりして、

気を引こうとしていた子。

よくいましたね~、って私の周りにはいませんでしたが、

よくある話です。

今回、そんな小学生の話では無くて、そんな事を大人になってやってしまい、

彼女に振られてしまったので復縁したいという、依頼が舞い込んできた話をします。

依頼者は、28歳の会社員。

お名前(仮名)は、佐々木裕輔さん。もちろん男性。

東京23区の都会に、独り暮らししている方でした。

相談内容は、1ヶ月前まで、1年間付き合っている彼女がいたそうですが、

半年前から、自分で彼女の信用調査をするようになったそうです。

最初は、元彼女を演じ、メールを彼女に送り、

「別れて」「彼は私と一緒にいたほうがいいの」

などの内容で、彼女がその後どのような対応をとるのか、を見たかったそうです。

彼女も気にする様子はなく、平然としていたらしいです。

そこで一安心したのですが、しかし、

それが、だんだんエスカレートしていき、友達に頼み、

脅しの電話をさせたり、ストーカーまがいの事をさせたりと、

歯止めがきかなくなっていったそうです。

さすがに彼女もおかしいと思ったらしく、佐々木さんがやっているんじゃないかと

思い始め、しだいに信用が無くなり、ついに別れる事になったそうです。

愛情の裏返しとは言うものの、ここまでなってしまうのはまれなケースではないでしょうか。

その後、自分ではない、と何度も説得したそうですが、

納得してもらえぬまま、現在に至るそうです。

そこで、我々に復縁工作を依頼しにきたのです。

その前の信用調査の時点でここに来ていただければ、

何も起こらなかったとは、正直思いますが、

起きたことは変えられませんから、言ってもしょうがないです。

依頼に先立ち、工作の手順を考え思案しながら、話をしていると、

佐々木さんは浮かない顔をしていました。

そして、持っていたバックを広げ、

「もう、手順は考えています。このようにやってください。」

と言い、原稿用紙20枚ほどをバックの中から取り出したのです。

その原稿用紙はびっしりと敷き詰められていて、

工作員Aは…、工作員Bは…。

と、事細かに工作内容が記されていました。

簡単にすると、嫌がらせをした犯人役になってほしいとの事でした。

そして、佐々木さんは全く関係ないんだ、という証拠になってほしいとのことでした。

原稿用紙には、相関図も書いてあり、

佐々木さんの取り巻く人々の名前と関係が記されていて、

なぜ嫌がらせが起きたのかを、フローチャートで書いてありました。

このとおりに工作を進めて欲しいとの事でした。

たまに、ストーリーをご自身で考案してくる方は、いらっしゃいます。

しかし、我々もプロです。

考案する事もプロですし、客観性を持ち合わせています。

あまり、1人で考えてというのは、お勧めはしません。

が、今回は依頼者の強い要望がありましたので、

この脚本を元に工作を進める事としました。

まず、対象者の連絡先を聞いて、直接連絡します。

工作員A(女性)としましょう。

「すいません、ちょっとお話したいことがあるのですけど。」

と言い、

「実は、嫌がらせをしていたのは、私なんです。」

と言い、

「謝りたいんです、会ってもらえますか?」

と言います。もちろん脚本通りです。

対象者もまだ半信半疑だったらしいのですが、

会うことぐらいはいいだろうと、了承を得ました。

そして、約束の日に、

約束の場所のファミレスまで、

工作員Aと工作員B(男性)が、向かいます。

工作員A、Bは姉弟という設定でした。

そこまで、調査員が車で送り届けました。

車内では工作員が、脚本である原稿用紙のコピーを何度も読み返し、

必死に覚えていました。

複雑な説明を含んでいたので、しっかりと覚えないといけなかったのです。

ファミレスに到着し、中に入ると、もうすでに対象者である彼女がいました。

そこまで、工作員A、Bが向かい、いきなり、2人で土下座しました。

「申し訳ありませんでした!」

対象者はびっくりしていました。周囲もざわついていました。

が、余程辛い目にあっていたのか、冷たい目でその姿を見ていました。

とりあえず、座ってくれとの事で、話し合いが始まりました。

細かくはここではいいませんが、ある日のあれは実は私でして。

あの日のあれは自分が頼んだんです。

などなど、つじつまを一個一個合わせていきました。

なぜしたのか?を問われた時、対象者を工作員Aが憎かった。

といいだし、対象者の元彼の事が大好きだった。

が、付き合っている2人を見ていたら、悔しくなって、嫌がらせをするようになった。

そして、弟(工作員B)に頼んで、脅しの電話やストーカーをしていた事。

など、全ての罪をかぶり、謝りました。

依頼者である、佐々木さんは何も悪くないと。

結果、信じてもらえたらしく、ひと段落付きました。

その後、佐々木さんに対象者から連絡があり、

「勘違いだった。ごめんなさい。疑ってしまって。」

そして、またお付き合いが始まったそうです。

復縁というのは、今までと同じ過ちを繰り返しては、意味がありません。

今度はハッピーエンドで終わる脚本を書けるように。

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