ホーム/探偵のお仕事BLOG/別れさせ屋工作事例:別れたい/早急に穏便に別れたい~別れさせ屋③
探偵のお仕事ブログ

早急に穏便に別れたい~別れさせ屋③

調査の時点で依頼人栗田さんと対象女性である田中氏が一緒にいる場面を

何度か目撃していた。

楽しそうにウィンドウショッピングをしている田中氏に比べて、魂が抜けてしまったように

やつれている栗田さんの姿が印象的であった。

家庭でも職場でも栗田さんの様子が最近おかしいという話が出てきており、どこ変わる病気なのではないか?

人間ドックに行った方がいいなどと事情を知らない周囲は、何かと間違った心配をしているようである。

だからこそ、この事実が明るみに出る前に何とかしたいというのが栗田さんが依頼された動機である。

今回、田中氏への接触を行う別れさせ屋工作員はSHINさんという35歳元モデルの男性スタッフである。

SHINさんは大学時代に建築学科を専攻していた経歴があるので、この人選となった。

午前11時30分田中氏が昼食をとる公園付近にてSHINさんが待機する。

お昼となり12時11分、エコバッグを持った田中氏が公園内に入ってくる。

ベンチには座らずに、公衆電話に入っていった。受話器を上げている様子はわかるが口元は

動いていないので無言電話をかけているのだと思われる。

12時13分公衆電話を出た田中氏はいつものベンチに座り、エコバッグからおにぎりとサラダを

出して食べ始める。

焦点のあっていない目線で遠くに見える噴水の方を向いて口を動かしている。

栗田さんから聞いた情報によると、田中氏はスピリチュアルなことや占い、前世、運命などを

すごく信用するタイプで、占い師に栗田さんとの仲はとてもいいと言われて、執着し始めたとの

事であった。

うつろな目をした田中氏のベンチの周りには鳩が何羽か土を啄んでいた。

ここでSHINさんが田中氏に接触を行う。

SHINさんの手には設計図が入っている筒状の容器を持たせていた。

「初対面なのにこんな事言っても気持ち悪いかも知れませんけど・・。あまりいいオーラが出てないですね。」

と話しかけるSHINさん。

急に話しかけられて「えっ?」と驚く田中氏。

SHINさんに焦点があったようで「私・・ですか?」と聞き返してくる。

「はい、困ったことに小さい頃からなんかそういうのが見えてしまうんで・・。変なことを言ってすいません。」

とSHINさんが答えると田中氏は「・・でもそうかも知れません。ほかに何か見えますか?」と聞いてくる。

「・・・オーラの色が暗いから恋人のことで悩んでいる感じかな。」とSHINさんが答えると

田中氏は明らかに目を見開き「・・当たってる・・かも・・。」と答える。

その流れでSHINさんは田中氏が座るベンチの横に座り、栗田さんに聞いていた田中氏の事前情報を

さも霊視してわかったかのように話すと、田中氏は「すごい・・。」と絶句する。

ここで田中氏がSHINさんの持っている筒状の容器を見て、「あら、私と同じようなお仕事なんですかね?」と

聞いてくる。

「え!そうなんですか?設計関係の?」と聞くと「はい私もそうなんです。」と答えてくる。

「この辺は取引先が多いので、たまにこの公園で私もお昼を食べるんですよ。」とSHINさんが話すと

「私も、ほぼこの公園で食べてます。」と少し微笑みながら答える。

「あれ?少しオーラの色が明るくなった!」と言うと「本当ですか?」と喜ぶ田中氏。

「今日はもう時間がないですけど、今度この辺に来ることがあったらお昼一緒に食べませんか?」と

SHINさんが聞くと「なんかナンパみたいですね。」と笑って言いながらスマートフォンを出して

LINEの交換をすることになった。

「笑っている方がいいですよ。オーラ的にも!ではまた連絡しますね。」と言って

SHINさんはベンチから立ち上がり公園から出ていく。

それを見送る田中氏の表情は少し明るかった。

その後LINEで「そういえば自己紹介してなかったですね、私はSHINと言いまして〇〇の近くの

建設会社で設計の仕事をしています。」と入れると「そうでしたね、私は田中と申しまして

設計事務所で働いております。今後とも宜しくお願いします。」と丁寧な返信が帰ってくる。

翌日、翌々日とLINEのやり取り続け、翌週の水曜日に一緒にランチに行くこととなった。

関係を進展させるためにここからが勝負である。

次回、早急に穏便に別れたい~別れさせ屋工作④へ続く。

<<    >>
トップへ戻る