探偵のお仕事ブログ

父の存在|出会い工作

「あなたのお父さんはね、もうこの世にはいないのよ。」

別れた女房が、子供にそう言い、父の存在を隠していたとしたら、

あなたはどうします?

自分の存在を知ってほしいのか、そのままそっとしておくのか。

そんな事例を今日はお話しましょう。

依頼者は、千葉に住む方で、職業は?の男性の方。

名前(仮名)を、藤田智一さん。

紅葉が映え、暖かい陽だまりも消えつつある時期、

藤田さんは当社に相談にやってきました。

相談内容は、14年前に離婚したが、

その時に子供(男の子、当時1歳)がいたらしいのです。

親権は、奥さんが持ったらしく、その後、奥さんの実家に帰り、

そこで子供と暮らしていたそうです。

当時、藤田さんの浮気が原因で別れたらしいのですが、

その際、離婚後子供には一切会わないでほしいと言われたそうです。

藤田さんも、子供に執着心がなかったらしく、それでいいとなり、

離婚は成立し、以後、一回も子供の顔、

写真も見ることなく今日まで、生きてきたそうです。

そんな藤田さんが最近になって、子供の存在を意識しだしたそうです。

大人になって行くにつれて、自分の残した軌跡などを考えるようになったそうです。

自分には、息子がいた。14歳になっているだろう。

自分の子はどうしているのか?人生を満喫しているだろうか?

深い悩みに耐えかねているのではないだろうか?

考えるといろんな疑問符が付いてきだしたそうです。

会いたい。会って、自分の存在を知ってほしい。

しかし、会わないと約束してしまった以上、自分から出て行くのは気が引ける。

しかも、別れた奥さんは子供に、父は他界していると言い聞かしているそうなのです。

そこで、当社に相談に来たそうです。

子供に会ってきてもらいたい。

そして、自分の存在を教えて欲しい。

その後、依頼、とすぐになり我々はまず、

ターゲット(子供)の事前調査に入りました。

家の住所は藤田さんから聞いていたので、すぐに分かり、

ターゲットの写真がなかったのですが、すぐにターゲットを把握できました。

すぐに写真を撮り、藤田さんに見せたところ、

「こんなに大きくなっているのか...、俺そっくりじゃねぇかぁ...。」

と、目頭を押さえ、瞳を潤ませていました。

会いたい思いはさらに強くなられたでしょうね。

我々はその後、ターゲットの行動といっても、学校の登下校だけですが、把握。

接触のタイミングを下校の1人になった時に絞った。

ターゲットは14歳。中学生です。

理性も出来てきている、半分大人な状態。

そんなターゲットですので、警戒心もあるでしょうし、どう接触するのか。

工作員は、女性でも男性でもよかったが、

やはり女性のほうが柔らかいイメージがあり、

警戒も薄れると判断し、今回は女性工作員に接触させました。

ターゲットの中学は、家から歩いて25分ほどのところにある。

下校時、ひとりになったところで、女性工作員にいきなり接触させました。

「こんにちは」

「はぁ」

「ごめんね、突然。びっくりしたでしょ。実はね、お姉さんあなたにお話があるの」

「はぁ」

「君は、お父さんは他界したって、聞かされているわよね」

「はぁ」

「実はね、君のお父さんは、まだ生きているのよ」

「はぁ、そうだったんですか」

「会いたい?」

「いや、別に。突然言われても」

「そう、そうよね。じゃぁ、これお父さんの連絡先。

連絡したくなったらでいいから、

その時は連絡してあげてね、じゃぁ」

時間にして、1、2分。終了しました。

もっとも、この策は依頼者からの提示でした。

これでやってくれとの事だったので、今回はこれだけの工作となりました。

その後、連絡はあったそうです。

そして、会う約束をし、顔をちゃんと見たそうです。

その時、

「ごめんなぁ」

と声を出して、大声で泣き出してしまったそうです。

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