彼女と復縁する為の別れさせ屋工作④
依頼人島田さんの禁煙生活は1か月半となった。
ずいぶんと楽になったものの、口元が寂しくて甘いものを食べ続けたので
5キロほど太ってしまったようであるが、フィットネスジムに通い始めて
筋肉質な体へと変身途中である。
島田さんの彼女さんは細身でスラッとしたモデル体型である。
一方、別れさせ屋工作員KIMIさんはグラビアを飾れるようなメリハリのあるボディを
持ったスタッフである。
出身地も同じであるのも手伝って、KIMIさんと対象男性加藤氏とのLINEのやり取りは
毎日行われていた。
最初は紳士的にふるまっていた加藤氏も、段々と彼氏はいるのか?
良かったらKIMIさんの画像を送って欲しいなどと、本性が出てきていた。
KIMIさんもできる限り返信していき、加藤氏のKIMIさんに対しての興味は
どんどん膨らんでいったのである。
LINEのやり取りを始めて1週間が過ぎたころ、食事やお酒の話となり
近々、飲みに行きましょうという話がようやくまとまった。
そして当日・・・。
18時半に都内某駅前で待ち合わせ。
加藤氏は少し早めに到着していて、ウロウロしているのを確認している。
18時半ちょうどにKIMIさんが待ち合わせ場所に到着。
予約してあった、居酒屋に向かう。
おしゃれなバリ風の居酒屋に二人は入店。
アジアンテイストの食事を楽しみながら、お酒を飲む二人。
さり気なく、KIMIさんはボディタッチをしながら加藤氏の話を
楽しそうに聞いていた。
「そう言えば加藤さんは彼女さんとかいないんですか?
かっこいいから絶対いますよね~。」と加藤氏の太ももをポンポンと
軽く叩きながら、質問するKIMIさん。
一瞬つまる加藤氏。
「・・・うん・・まぁ・・たまに遊ぶ子はいるけど・・・。」と
歯切れの悪い加藤氏。
「えっ?じゃあ彼女さんいないんですか?」と言いながら
加藤氏に見せるように小さくガッツポーズをするKIMIさんはあざといスタッフである。
それを見た加藤氏は「うん、決まった彼女なんかいないよ~。」といないという設定にしようと
決めたようである。
「私・・嘘つく人イヤですからね~。」と言いながら加藤氏にもたれかかるKIMIさん。
「嘘なんか言うわけないじゃん。」と上ずった声で言いながら、KIMIさんの頭をなでる加藤氏。
そんな話を2時間ほどしてお店を出る二人。
加藤氏はこの後俺の家で飲みなおそうとしきりに誘ってくるが、
KIMIさんは「今日はだーめー。」とかわいく返して、二人は離れる。
どうやら加藤氏はチョロそうな対象者である。
この日の報告を島田さんに行い、今後の最終的な打ち合わせを行う事とする。
次回、彼女と復縁する為の別れさせ屋工作⑤へ続く。