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彼女と復縁する為の別れさせ屋工作⑤

 依頼人島田さんの禁煙生活は2か月を超えた。

もう飲み会に参加してもツラくなくなり、フィットネスジムに通っているので

最初にお会いした時より逆三角形の体になってきている。

それに加えて日焼けサロンにも行き始めたらしく、寒くなってくるこの季節に

浅黒い肌になっていた。

また、加藤氏が別れさせ屋工作員KIMIさんと頻繁に連絡を取り合っているのが原因なのか

彼女さんから島田さんに頻繁に連絡が来るようになってきていた。

そして今度久しぶりに飲みに行くことになっているらしい。

おそらく今の島田さんを見たら、彼女さんも驚く事でしょう。

島田さんが彼女さんと飲みに行かれるというお話を伺ったので

最終的な工作も、その日に絡めて行うという流れとなった。

その飲み会は1週間後である。

島田さんは最後の追い込みがあると言い残し、フィットネスジムに消えていった。

そして当日・・。

島田さんと彼女さんが会う日、もちろんKIMIさんは加藤氏を誘って飲む約束ができていた。

この日は18時半に加藤氏とKIMIさんが待ち合わせ。

予約してあった個室カフェに入っていく。

加藤氏はKIMIさんの隣にくっつく様に座り、お酒を飲みながらカフェ飯をおいしく頂いていた。

とにかく上機嫌であった。

一方、島田さんと彼女さんは19時にKIMIさんたちが入店しているお店と同じビルで1階にある

居酒屋で乾杯していた。

「まじ、最初誰だかわからなかったよ。」といじられる島田さんは嬉しそうである。

「そうでしょ。タバコを止めたら健康志向になったというか・・。」と言いながら生ビールを煽るように飲み干す。

「うんうん、タバコを止められたのは偉いね。」と褒める彼女さん。

二人の雰囲気は悪くない。

21時近くなりKIMIさんと加藤氏がお会計をしてお店を出てくる。

お会計をしているという情報は島田さんにも知らされている。

それを見た島田さんはすぐに「じゃあ、次はカラオケ行こうぜ。」と言いながらお会計を済ませる。

先にお店を出た彼女さんは、エレベーターからピッタリくっついている加藤氏とKIMIさんを

目撃してフリーズしていた。

驚きと怒りに呆然と立ち尽くす彼女さんだったが、目には怒りの表情が宿っていた。

そんな視線を感じたのか加藤氏がチラッと振り返る。

そこには鬼のような形相をした彼女さんが立っていた。

「ひぇっなんで・・ここにいるの?」と裏返る声で彼女さんに話しかける加藤氏。

彼女さんの会社の先輩としての威厳は見られない。

「今日、取引先から直帰って言ってましたけど、こういう事だったんですね。」と

低い声で詰め寄る彼女さん。

ここで会計を終えてお店を出てくる島田さん。

お店の外が只ならぬ空気となっていることに気が付く。

「どうした~。」と自然にその輪の中に入る島田さん。

KIMIさんも「どうしたの?」と加藤氏に聞きながら腕を絡める。

あたふたする加藤氏はKIMIさんを体から離して、「ちょっと待ってて。」と

意味の分からない返事をする。

彼女さんはその様子を見て「バッカじゃないの。」と言いながら

島田さんの手を取ってカラオケのある方向へ歩いていった。

その様子を呆然と見送る加藤氏。

彼女さんと島田さんの姿が見えなくなってようやく我に返り

「KIMIちゃんゴメン、急用ができたから今日は帰るね。」と言って

島田さんたちが消えていった方向に走っていった。

既に島田さんたちはカラオケ店の中に入っていたので、加藤氏は二人を

見つけ出すことはできなかった。

彼女さんのスマホがジャンジャン鳴っている。

着信、LINE、着信、LINE・・・。

彼女さんは「何こいつキモイ。」と言いながら、電源を切る。

「さっきいたのが今の彼氏なんだけど、浮気してるっぽい。」と

ボソッと口にした瞬間に彼女さんは泣き出した。

それを見てオロオロする島田さん。

泣き止むまで、彼女の背中をさすりながら黙っている。

「そんなに背中をさすられたら気持ち悪くなる。」と彼女さんにつっこまれ

慌てて手を引っ込める島田さん。

「でもありがとう。一人だったらキツかったと思う。」

黙って頷く島田さん。

「君が弱っている時にもう一度やり直してほしいっていうのはフェアじゃないから

今日は言わないけど、ずっと君のことを思っているし味方だから、ツラかったら頼っていいよ。」

とカッコいいことを言う島田さん。

彼女さんはうんうんと頷きながら、隣に座る島田さんにもたれかかった。

そこから二人は3時間ほどカラオケを熱唱してお店を出た。

彼女さんを自宅に送り(加藤氏がいるかも知れないから)、島田さんも帰宅する。

それから1週間が経った。

彼女さんは加藤氏との恋愛関係を完全に切り、同じ会社の先輩後輩という関係に戻った。

そして彼女さんから「すごく言いづらいけど、私で良ければもう一度やり直して欲しい。」という

申し出があったのはそれから1週間後であった。

うれしそうに話してくれた島田さん。

筋トレは現在でも続いており、いま町でお会いしてもわからないかも知れない。

彼女と復縁する為の別れさせ屋工作・・終わり。

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