彼女を取り戻したい~別れさせ屋(5)
今回の案件は、依頼人である高橋さん(男性)の恋人沢田氏(女性)が別の男性(佐藤氏)とも交際をしていたが、沢田氏は高橋さんとの関係を切って、佐藤氏との関係を選んだことに始まる。
二股関係に敗れた高橋さんが、沢田氏との復縁を目指して、沢田氏と佐藤氏を別れさせたいという案件です。
これまで女性工作員AKIさんが佐藤氏への接触活動を通して、順調に恋愛関係を構築していくところまでに
漕ぎ着けた。
対象男性佐藤氏は、工作員AKIさんに対して今現在恋人はいないと嘘をついている。
このままAKIさんが接触を行っていけば、佐藤氏から沢田氏に対して別れを告げてくれるかも知れないが
今回依頼人高橋さんが目指されていることは、別れさせた上で沢田氏との関係を修復することにある為、
佐藤氏と工作員AKIさんの関係が沢田氏にバレてしまうという状況を作り、沢田氏の気持ちを揺さぶって
もう一度、関係を再構築するための可能性を上げることが狙いである。
佐藤氏と工作員AKIさんのデートは何度も行われていて、以前は週末の時間は全て沢田氏に使っていた佐藤氏であったが、最近は仕事が忙しいという理由を言って、会う頻度は少なくなっていた。
そんなある週末、佐藤氏はいつものように工作員AKIさんとデートに繰り出していた。
同日沢田氏は女友達とショッピングに行くという情報を仕入れていた。
工作員AKIさんは沢田氏を尾行している調査員から逐一情報を得ながら、佐藤氏を沢田氏がいるエリアへと
うまく誘導していくのであった。
そして工作員AKiさんと佐藤氏はとあるショッピングモールに入っていった。
このショッピングモールに1時間ほど前から沢田氏と女友達が買い物に来ている。
そしてショッピングモール内のフードコートにて佐藤氏、工作員AKiさん組と沢田氏、女友達組が
バッティングするのであった。
沢田氏は佐藤氏が仲良さそうに違う女性と一緒に歩いているのを発見すると、顔を真っ赤にしながら
近付いていくのであった。
佐藤氏は一瞬ヤバイという表情を浮かべたが、半分開き直った様子でAKIさんに「つきまとってきている女があそこにいるけど、気にしないで」と耳打ちしてくる。
沢田氏は「この女誰?、誰よ、ねぇ」と詰め寄ってくる。
佐藤氏は「これ以上つきまとってくるんじゃねえよ」と大声で反論してくる。
沢田氏はさらに顔を真っ赤にしながら、「あっそ」と言って、女友達とその場を離れるのであった。
工作員AKIさんは、佐藤氏に近寄り、「ねぇ周りの人が見てるから、もう行こうよ」と言うと、佐藤氏は
無言で頷いて、その場を離れるのであった。
同日の夜、佐藤氏は沢田氏に「好きな人ができたから、申し訳ないけどこれ以上関係は続けられない。今日は本当にすみませんでした。」とメールで言ってくる。
それに対して沢田氏は「そちらにおいてある荷物は、全て宅配便で送って下さい。そしてこれから一切のメールや電話をしないで下さい。」とメールを返信したのだった。
依頼人高橋さんは、別れさせ工作を行っている期間の最初から、沢田氏に近況報告メールを2週間に1回のペースで送信していた。
しかしこれまで、そのメールに対して返信が来ることは稀で、返信があったとしても事務的な内容でしかなかった。
この修羅場となったタイミングに、2週間に1回のメールが沢田氏に送信されるのであった。
いつもであれば、返信がないか、返信があっても事務的な内容であるはずが、今回高橋さんから送ったメールに対して沢田氏の返信はとても早く、「久しぶりに飲みにでも連れてって」という内容であった。
それから高橋さんに対して、澤田氏との関係再構築へのアドバイスをさせて頂きましたが、このアドバイスが功を奏して、また交際が始まることになったのであった。
工作が終わって半年が過ぎた頃、高橋さんがフラッと当社に遊びにいらっしゃいました。
高橋さんは応接室に通されるなり、「実は先日彼女(沢田氏)と入籍しました。彼女との関係再構築するにあたって、大変お世話になりましたので、本日は伺わせて頂きました。」と話された。
当社にいらっしゃった高橋さんは、非常に晴れやかな表情をされていましたが、絶対に私たちの存在がバレることがないように、一つ釘をさしておくことは忘れませんでした。
彼女を取り戻したい~別れさせ屋工作(5)・・・終り。