復縁間近だった彼に違う女の影~別れさせ屋工作④
対象女性鈴木氏と女性工作員TAEさんとの交流は年齢も近いこともあり
深まっていった。
鈴木氏のお休みや出勤前に会ってお茶したり、引っ越してきたばかりで困っていた
TAEさんに街中の名店や買い物に行くならこの店がいいなどと丁寧に教えてくれた。
鈴木氏が来れない時は、事前にLINEで教えてもらったお店や名所をTAEさんがまわり
その時に見つけた鈴木氏が知らない店をTAEさんが鈴木氏に紹介するという
関係性で二人とも楽しんでいるようであった。
またTAEさんが元々モデルをやっていたという話をしてあったので鈴木氏の
ファッションチェックをしてあげることも多かった。
そして実際に週に1回は直接会って情報交換をしていた。
女性同士が会えば恋愛の話になりやすく、早い段階で鈴木氏に最近彼氏ができたという
話をTAEさんは聞いていた。
でもお互いにお休みの日が違うので結構すれ違いが多く不満も多いとの事だった。
これはチャンスと思ったTAEさんは、今度私の男友達も連れてくるから
一緒に飲もうよという話をすると、少し考えた鈴木氏は「・・たまには息抜きしよっかな。楽しみにしてるね。」
と答えてくれた。
そして当日・・・。
この日は鈴木氏は開店からランチのみの勤務にしてもらったそうで、飲み会への意気込みが
感じられた。
先にTAEさんと鈴木氏が予約してあった個室居酒屋に到着。
乾杯して飲み始める。
「いやぁ、今日も疲れたよ~。嫌な客がいて困っちゃう。」とさっそく愚痴る鈴木氏。
TAEさんは鈴木氏の緊張をほぐそうと楽しい話題を次々に繰り出す。
そこにTAEさんの電話に着信。
「え?もう近くに来てるの?OK。待ってるね~。」と鈴木氏に聞こえるように
話すTAEさん。
鈴木氏はTAEさんに声には出さず「もうくるの?」と口を動かしたので
TAEさんは電話をしながらもウンウンと頷く。
電話を切ってすぐ、お店の入り口から背の高い男性2名が入ってきて店内を見回す。
そしてTAEさんを見つけると「ごめんごめん、少し仕事が長引いちゃって。」と
言いながらTAEさんと鈴木氏が座る席に近付いてくる。
店内の他の女性客もその二人を目で追う。
今回の男性工作員はTAEさんの男友達AのKENさん(33才・元モデルワイルド系)と
男友達BのYUTAさん(33才・元モデル・色白さわやか系)の二人である。
「えぇお二人とも超イケメンですね~。何を飲まれますか?」とさっそく気を利かせる鈴木氏。
どちらかというとKENさんを気に入ったようである。
お男性二人のお酒が届いて改めて4人は乾杯する。
「お腹空いてないですか?何か食べてください。」と店員目線の気遣いを発揮する鈴木氏。
店員さんを呼び何品かのつまみを注文する。
男性二人のジョッキは既に空になっていたので、お代わりも併せて注文した。
鈴木氏はこっそりTAEさんに「二人ともモデルさんなの?」とLINEを送った。
TAEさんは「うん、そうだよ。あと彼女もいないみたいよ。」と横にいる鈴木氏に
返信した。
「TAEさんと知り合ってからは長いんですか?」と質問を始める鈴木氏。
「はい、TAEさんがモデルの時にお仕事で知り合ったので7~8年ぐらい前からですね。」
とKENさんが答えると、YUTAさんもウンウンと頷く。
「へぇ、お二人とも背が高いですけど身長は何センチ何ですか?」と
次の質問に移る鈴木氏。
「私は186センチでYUTAが185センチだっけ?」とKENさんがYUTAさんを見ながら
答える。
「すご~い。」といちいち感動する乙女な鈴木氏。
この後も2時間ほど飲んで、近くのカラオケに移動。
再び2時間ほど歌いまくった。
この時の席順はTAEさんとYUTAさんが並んで座り、鈴木氏とKENさんが並んで座るという
構図だった。
KENさんが甘く歌い、鈴木氏がタンバリンでキャーキャー騒ぐという状況。
KENさんが歌い終わったら、「すっごいうまかった~。」と言いながらKENさんに
もたれかかる鈴木氏。
お開きになる間際にKENさんは鈴木氏に内緒話するような感じで「LINE教えてもらっていい?」
と聞くと鈴木氏もKENさんの耳元に口を持っていき「もちろん大丈夫です。」と小声で
返してくる。
テーブルの下でお互いのLINE交換を行い、この日の会は終了となった。
鈴木氏はTAEさんに「いい男2人もいてすっごい楽しかった~。連絡先聞いておけば良かった~。」と
気付かれていないと思っているのかシレっと嘘をつく。
解散となり、この日の夜から鈴木氏はKENさんに猛烈なLINEアタックが始まるのであった。
KENさんにはLINEのやり取りで盛り上げてもらい、仕上げの作業に入る事とする。
復縁間近だった彼に違う女の影~別れさせ屋工作⑤へ続く。